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福岡母子殺害事件

事件の概要

2017年6月6日、福岡県小郡市で発生した母子3人の〇害事件は、当初、無理心中とみられていました。しかし、司法解剖の結果、妻と2人の子どもの死因が絞〇であると判明し、状況は一変しました。捜査の過程で、現職警察官であった夫・中田充被告(当時38歳)が疑われ、2017年6月8日に逮捕されました。

その後の捜査と裁判で、すべての状況証拠が中田被告を犯人と指し示し、2021年9月15日に福岡高裁で二審の死刑判決が確定しました。しかし、被告は無罪を主張し続け、現在も上告中の状況です。


被害者と被害者遺族の詳細

被害者となったのは、中田由紀子さん(当時38歳)と、長男の涼介くん(9歳)、長女の実優ちゃん(6歳)です。事件発覚当初は、妻・由紀子さんが育児疲れにより無理心中を図った可能性があるとされましたが、後の司法解剖で首を圧迫されたことによる窒息死と判明しました。

由紀子さんの遺族は「なぜ家族がこんな残酷な目に遭わなければならなかったのか」と強い怒りをあらわにし、裁判では極刑を求める意見を述べています。


犯人の詳細と生い立ち、犯人遺族の詳細

中田充被告は1978年生まれで、福岡県立の進学校に進学し、福岡大学に進みました。大学時代にはパチスロにのめり込み、留年を経験。その後、警察官となり、2002年から福岡県警で勤務していました。

しかし、勤務先では人間関係のトラブルを抱え、転勤を繰り返していました。2016年には福岡県警本部に配属されましたが、「問題のある警官を監視下に置く」意図があったともされています。

家庭では、引っ越しを繰り返す生活に妻の由紀子さんが疲弊し、事件の2年前に実家近くに定住。ところが、中田被告はパチスロにのめり込み、家庭内の不和が生じていました。


事件発覚と逮捕

事件当日、午前8時40分頃、小学校からの「子どもが登校していない」との連絡を受けた中田被告は、近所に住む妻の姉に家の様子を見に行くよう依頼。そこで発見されたのは、台所で倒れる妻と、寝室で息絶えている子どもたちでした。

当初、無理心中と考えられましたが、司法解剖で絞〇の痕跡が判明。さらに、妻の爪から夫・中田被告の皮膚片が検出され、彼の腕には引っかき傷も見つかりました。また、現場にまかれた油が、中田被告の職場のロッカーにあったジッポーオイルと一致。これらの状況証拠をもとに、警察は中田被告を逮捕しました。


事件のまとめ

この事件では、物的証拠が乏しいものの、状況証拠が中田被告の犯行を裏付けています。防犯カメラの映像から、事件発生時間帯に第三者の侵入がなかったことが確認され、スマートフォンの行動記録からも不審な動きが浮上しました。

2019年12月13日、一審の福岡地裁は求刑通り死刑判決を言い渡し、2021年9月15日、福岡高裁もこれを支持し、中田被告の控訴を棄却しました。しかし、被告は判決を不服として上告しており、最終的な結論は最高裁の判断に委ねられています。

この事件は、警察官による家庭内〇人事件として社会に大きな衝撃を与え、司法制度の在り方や家庭内トラブルの解決策についても考えさせられるものとなりました。

 

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