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愛知交際2女性殺害事件

事件の概要

愛知交際2女性〇害事件は、1999年と2003年に発生した、交際相手2名を〇害した事件です。犯人である兼岩幸男は、当時の交際相手であった渡辺愛子さん(1999年)と村井栄子さん(2003年)をそれぞれ〇害し、遺体をバラバラにして遺棄しました。

兼岩は1987年頃、保険会社の代理店研修で知り合った渡辺さんと不倫関係にありました。その後、1992年に別の女性と結婚しましたが、渡辺さんとの関係は続いていました。1999年に新たな職を得たことを機に、渡辺さんとの関係を清算するため、彼女を〇害し、遺体を焼却炉や河川敷に遺棄しました。

その後、2002年に村井栄子さんと出会い交際を開始。しかし、村井さんが兼岩の会社での不正行為を知り、結婚を迫ったため、兼岩は彼女を〇害。遺体を分割し、岐阜県境川などに遺棄しました。

2003年に村井さんの遺体の一部が発見されたことをきっかけに、兼岩が逮捕されました。その後の公判中に渡辺さんの〇害も自供。最終的に死刑判決を受け、2011年11月に確定しました。


被害者と被害者遺族の詳細

渡辺愛子さん 渡辺さんは既婚者でありながら兼岩と交際し、1999年まで関係を続けていました。彼女は兼岩との生活のために自身のクレジットカードを利用して借金を重ねていました。しかし、兼岩が大手企業に採用されたことで関係が邪魔になり、最終的に〇害されることとなりました。

遺族は渡辺さんの行方不明を警察に届け出ていましたが、当時の技術では遺体の身元特定が難しく、事件解決までに時間がかかりました。

村井栄子さん 村井さんは離婚歴のある独身女性で、2002年に兼岩と交際を開始しました。2人は共同で会社を設立し、村井さんが社長として活動していました。しかし、兼岩が他の女性と交際していたことや、会社の不正取引を知り、結婚を迫ったため、〇害されました。

村井さんの遺族は、彼女が突然失踪したことに疑念を抱き、警察に捜索願を提出。その後、遺体の一部が発見され、兼岩の関与が明らかになりました。


犯人の詳細と生い立ち、犯人遺族の詳細

兼岩幸男の生い立ち 兼岩幸男は1957年、愛知県桑名市で生まれました。父親は韓国人、母親は日本人で、貧しい家庭環境で育ちました。高校卒業後は自衛隊に入隊しましたが、後に保険業界へ転職。その後、渡辺さんとの関係が始まりました。

1992年に別の女性と結婚し、1994年には双子の子どもが誕生。しかし、経営していた会社が倒産し、債権者からの追及を避けるために家を出て、渡辺さんと生活を共にしました。彼は破産手続きを進める中で、渡辺さん名義のクレジットカードを利用して借金を繰り返していました。

その後、兼岩は外食業界で出世し、2001年には「焼肉屋さかい」の開発本部長に就任。しかし、2003年に村井さんの〇害が発覚し、逮捕されました。


事件発覚と逮捕

2003年6月2日、岐阜県羽島市の境川で村井栄子さんの遺体の一部が発見されました。DNA鑑定の結果、村井さんと判明し、交際相手であった兼岩が容疑者として浮上しました。

7月15日、兼岩は警察の取り調べを受け、当初は黙秘していましたが、最終的に村井さんの〇害を認めました。その後、過去の交際相手である渡辺さんが失踪していたことが判明し、警察の追及により1999年の〇害も自供しました。

兼岩は2件の〇害容疑で逮捕・起訴され、公判では「渡辺さんは自殺だった」「村井さんは正当防衛だった」と主張しましたが、いずれも認められず、最終的に死刑判決を受けました。


事件のまとめ

愛知交際2女性〇害事件は、兼岩幸男が自身の生活の邪魔になった交際相手を〇害した連続事件です。2人の女性はそれぞれ借金や結婚問題を抱え、兼岩との関係に翻弄されながら命を奪われました。

兼岩は最初の〇害から約4年間、普通の生活を送りながら出世を遂げていました。しかし、2人目の〇害の発覚により、過去の罪が明らかになり、2003年に逮捕。裁判を経て2011年に死刑が確定しました。

本事件は、犯罪の隠蔽が長期間成功するケースがあることを示し、身近な人間関係の中での犯罪の恐ろしさを浮き彫りにしました。また、交際相手との金銭的依存関係や、個人的な感情のもつれが、重大な犯罪へと発展する可能性を示唆しています。

現在、兼岩は名古屋拘置所に収監されており、死刑囚として過ごしています。

 

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